アメリカ大陸3連戦の第2戦、メキシコGP。こちらは、エルマノス・ロドリゲスサーキットが標高2300mと高地にあるため、そういうセッティングがはまるホンダエンジン有利とされているサーキットだが、今年はそうそうそんな前評判が当たることはない。実際予選では、フェルスタッペンのラストアタックが、直前を走っていたペレス、角田のコースアウトの影響で不発に終わったことを差し引いても、ボッタスがポール、2番手にハミルトン、とメルセデスがフロントローに2台並べてみせている。ちなみに、角田のコースアウトは、アタックしていたペレスが来ているとの無線により、それを避けるためであって、それでペレスがコースアウトしたのは謎だし、さらにフェルスタッペンまで割を食ったのはもはやタイミングが悪かった以外に言うべきことはない。角田を責めるのは、日本人のひいき目とかとは関係なく間違いだと思う。

これでボッタス、ハミルトンがうまくスタートを決めて、2台で逃げを打ち、頃合いを見計らってボッタスとハミルトンを入れ替えれば、メルセデスとしては最高のレースという目論見だったはず。しかしそれはスタート直後1コーナーでフェルスタッペンの大外刈りが見事に決まり、早々に打ち砕かれることに。ボッタスは1コーナー、ブレーキタイミングが明らかに速すぎたと思うが、フェルスタッペンとハミルトンの間で行き場を失った形とも言える。もう少しアウト側、つまりフェルスタッペンに牽制をかける余裕があれば、ちょっと違う展開だったかもしれない。事実としては、それでリカードに追突食らう形となってしまい、大きく後退した。最終盤でファステストラップを奪い、フェルスタッペンの獲得ポイントを削ることには成功した。

後ろではオコンが角田とミック・シューマッハの挟み撃ちに会い、彼らを物理的に返り討ち。本人は奇跡的にリタイヤを免れるという珍しい展開を見せた。角田は予選までは好調を維持したが、エンジン交換による後方スタート後の混乱によるこの結果を避けるのは難しかった。結論的には「もったいないレースの落とし方」ではあった。

焦点は、フェルスタッペンに完全に置いて行かれたハミルトンと、彼を追い上げるペレスの2位争いという形。アメリカでのフェルスタッペン対ハミルトンの再現とも言える形で、結果もハミルトンがギリギリでペレスを抑えきった。2戦連続でひりひりするような駆け引きが見られて、非常に面白いシーズンになっていることに感謝を。最近はむしろチーム監督とか、ドライバーもレース後に文句を言い合ってるだけになっている感じなので、それはきっと「正常」というか「クリーン」何だろうという気がするのだった。