今年、マックス・フェルスタッペンが力を見せる一方で伸び悩んでいたピエール・ガスリー。かねがね噂的には、ガスリーが今季途中でもレッドブルからトロ・ロッソに降格されるというものがずっとあったが、夏休みに入ってそれがついに発動された。

で、注目のレッドブルへの昇格ドライバーだが、ポイント的に優位だったクビアトではなく、アレックス・アルボンに白羽の矢が立った。

これについては、色々解説や説明がなされているが、レッドブルは昔から、若手にチャンスを与えるチームだというのがあって、今回もその伝統に則ったものというのが僕の見方。

レッドブルというチーム、最初から4年くらいの間は、エースとしてマクラーレンで長らく走っていたベテランのデイビッド・クルサードを起用したが、セカンドドライバーは頻繁に入れ替えがあった。クルサードが引退した後も、ベテランであったマーク・ウェバーがドライバーを務めるものの、エースはセバスチャン・ヴェッテルになり、トロ・ロッソからの昇格によりドライバーが補充される体制となった。

トロ・ロッソの方はそれゆえに若手重視の政策がとられた。例えば2009年、その前の年で消滅したスーパーアグリからの移籍を目指し、テストに参加していた佐藤琢磨。テストでは、ドライバー候補とされるセバスチャン・ブエミ、セバスチャン・ボーデ(ブルデーとも発音されるね)よりも良いタイムを出していたにも関わらずドライバーとして採用されなかった。最近になって、これはブエミにチャンづを与えたかったため、二人よりも早いタイムを出した琢磨が敬遠されたという情報が入ってきた。

そんな感じで、トロ・ロッソがチームの体制として順位を上げるよりもレッドブル向けの若手の発掘の方が重視されていた、そしておそらくそれは、ホンダのテストを一年間かけて行ったことなども含め、今もそうだということなのだけど、それを考慮すると、すでにレッドブルで走った経験があるクビアトではなく、アルボンにチャンスを与えたということ。それでレッドブルトップチームでのプレッシャーにどう対処するかということで様子を見たいということだろう。

どのみち、来年以降もレッドブルはフェルスタッペン中心のシフトが組まれるだろう。その時に、できればダニエル・リカード並みに戦えるラインアップが必要だということで、当時のリカードに負けているクビアトの再昇格よりも、未知数であるアルボンという選択なのだ。しかし、そのレッドブルデビューがいきなりスパ・フランコルシャンとは、アルボンにとってはかなりキツいが、裏返せば大きなチャンスということだろう。まぁ、トロ・ロッソに戻ったガスリーとともに、様子を見てみようか。流れ次第では、山本尚貴にもF1デビューのチャンスが巡ってくるかもしれないしね。