メルセデス1強やメルセデス・フェラーリ2強ではダメで、もう1、2チーム絡んで誰が優勝するか読みにくい展開がやはり面白いのだ、ということがよくわかるレース展開が、この2〜3レースくらいで続いている。

シーズン序盤、フェラーリが下馬評通りではなく、レッドブルもホンダエンジンがまだまだ改善を要していたため、メルセデスに完全に突っ走られたが、ホンダがスペック2を投入してから風向きが徐々に変わってきたのを感じる。このハンガリーではついにフェルスタッペンがポールを奪った。もともとツイスティなハンガロリンクでは、空力に強いレッドブルにはチャンスがあると思っていたが、ドライの路面でポールを取れたというところに、ホンダのパワーが確実に上がってきている証を感じる。まだまだ本当のパワーサーキットではメルセデスに太刀打ちできるか微妙なところだが。

レース展開でも、レースの大半でフェルスタッペンがリードしていたので、その真価は確実と思われ、ハミルトンのタイヤ戦略が勝敗を分けた。2ストップでの第3スティントが始まった瞬間、フェルスタッペンより2秒近く早く、1〜2位間のギャップがピット作業を即座に下回った時点でフェルスタッペンは詰んでいた。こういう戦略でなんとかなる可能性があるというレースが面白いんだよね。ハミルトンが勝ったとは言っても、ぶっちぎり一人旅で勝たれてしまうよりはずっと面白い。

3位にはヴェッテルが滑り込み、3強で表彰台を分けた形。ボッタスは序盤でフロントウィングを壊し、ルクレールはタイヤ戦略でヴェッテルと結果が異なった。ガスリーが力負けしたのだけが妙に気にかかる3強の状況だった。

これでF1は夏休みに入り、ベルギーで再開。ここでの出来で、この力関係がどう変わっていくか。だんだん楽しみになってきた。