デミオの納車日も決定したことだし、そろそろコペンを総括することにしようか。

僕にとってコペンとは、一言で言えば、初めて所有した軽であり、オープンカーであった。

購入したときは、再就職が決まった前後であり、新たな人生を踏み出すための相棒として最適ではないかとの想いがあった。中古で購入したこともあり、最初から10万キロ達成くらいが、次の車を考える目処ではないかとは思っていたが、更に2万キロ積み重ねることができたし、事情が許せば今しばらくはこれで引っ張るつもりもあった。一方で、やはり10万キロに乗せた頃から、結構大掛かりな補修などもあったことを思い出す。乗り続けていれば必要経費だよねと言えるけど、普通に考えたらそうじゃないこともあった。そういう部分も含めて、改めて俯瞰する。

僕にとって、コペンとはどんな車だったんだろうか・・・

◯総論
コペンは、ダイハツにとって、初めて「カーマニアでない人たちの琴線にも触れた」車ではないかと思う。カーマニアから見れば、これまでもシャレード デ・トマソ、ミラTR-XXアヴァンツァート、ストーリアX4・・・などなど、良い意味で「変態」と称される車を輩出しているのは承知の上で、それほど偏っていない、ある意味「トレンド」とも呼べるレベルで有名になった。そういう意味で、スポーツ性能もかなり高いハンドリングやチューンベースもありつつ、でも、その立ち位置のカテゴリーは「スペシャルティ」なんだと思う。ダイハツは否定するかもしれないけど。(スポーツだって言いそうではないか)

二代目はそこからさらに「スポーツ」に振ろうとしている(もしくは戻そうという意志かもしれない)。そういう意味で、その本質は「ローブ」にあるということで、そちらで評価するのが正解なんだろう。いずれにせよ、初代オーナーから見ればせっかくのコペンのスペシャルティとしての立ち位置を生かせなかった、ややもったいない路線変更だったのでは。しかしながら、その後セロや、セロベースで作られた「クーペ」ではスペシャルティを意識しているようだ。ただしデザイン的に、基本設計からするとやや「違う」も否めない。三代目は多分もう少し先の話になろうけど、このまま消えてしまうにはもったいない車だと思うので、開発はしてほしいところではある。

◯エクステリアデザイン
そんなわけで、こと「スペシャルティ」として評価すれば、コペンのような軽はこの世に存在しないと断言できる。S660は完全にスポーツだし、アルトワークスはいかに軽くて速くとも、基本はアルト。実用に振りすぎという評価にしかならない。あえて言えばフロンテクーペとか初代〜2代目セルボ系、初代ホンダZなどがそれに当たるが、今は生産してない旧車もいいところな車たち。三菱系にはそのような想定すらない。初代はさらにエクステリアデザインコンセプトが一貫していて、まとまりは良い。そののためにリアが中〜高速領域で浮きがちというのはあるが、スポーツを考えなければ、それでいいと割り切れるようにできている。

◯動力性能
これについてはスポーツを重視した作り。路面の凹凸を容赦なく拾うサスペンション、今でもノーマルで見ればトルク最強を維持しているJB-DET、クイックでリニアリティの高いハンドリング。車重自体は普通、もしくは屋根の開閉装置やオープンにすることに伴う補強などを見ればむしろ重い方になるのだとは思うけど、バランスも悪くはない。オープンにすれば重量のある屋根がトランクに移るわけだから重心が後より、さらに低くなりバランスが良くなる。オープンになることによる空気抵抗の悪化がトレードオフといえばそうだけど、動作特性が変わるので、1台で二度美味しいとも言える。

まぁ、パワーに関しては、軽自主規制枠が邪魔と言えばそのとおりではある。最低限でも80馬力超くらいあって、パワーウェイトレシオが10くらいになってくれば、文字通りライトウェイトスポーツになれるだろう。それ以上を目指すとなるとエンジンが重くなり、ハンドリングのバランスを壊すだろうから、あまり上策とは思わない。そうなったときには空力特性も全部見直さないととても怖い車に仕上がってしまいそうだ。

CPUと給排気をいじったので、今は70馬力はあると思うけど、もうちょっと欲しい、というか、ここはひょっとするとマニュアルミッションで解決されるかもしれない。4速ATについては、このコペン最大の不満といって差し支えない。つながりも悪く、ロックアップまでにかなり滑って、空走感が半端ない。アクセルワークでコントロールはできるけど、他の車のATでここまでの違和感は感じたことがない。この違和感は最初からあったけど、ダイハツでは「こんなものだ」と言われて引き下がるしかなかった部分。

今回はエクステリア〜動力性能的な話に振った。次回はインテリアから実用性などを見ていきたい。