セーフティカー導入時のピットワークが全てだったと言っても過言じゃない展開。そこまでのトップ3はたぶん2ピット作戦だったんだと思うが、それによって1ストップで頑張らざるを得なくなった。ひょっとしたら硬めのコンパウンドを選んだヴェッテルは1ストップだったかもしれないが。レッドブルも2ストップだったのだろうけど、セーフティカー導入でタイミングよくピットに飛び込ませることができた。ライコネンはもともと1ストップ作戦と考えられ、それが良かったのかも。

セーフティカー導入のきっかけは30周目、ハートリーとガスリーの同士討ちによるデブリの散乱。この上海でのトロロッソのパフォーマンスは低調だったが、本人たちもここは不向きだとは言っていたものの、ここまで沈むとも思っていなかったはずだ。今シーズン、中〜下位の浮き沈みが激しいので、それは興味深い。同士討ちについては伝達ミスと当人同士の認識ミスだと分析されている。

そんなわけで、ボッタス、ヴェッテル、ハミルトンの古いタイヤ勢のトップ3に対し、フェルスタッペン、ライコネン、リカードはフレッシュなタイヤでレースが再スタートされ、フレッシュ組がトップ3に攻め込む展開に。その中で、フェルスタッペンの、いつもの攻撃的なドライビングが裏目に出てヴェッテルと接触。結果フェルスタッペンは5位(10秒ペナルティによる)、ヴェッテルは8位となった。フェルスタッペンにはこのヴェッテルへの攻略がうまく行けば優勝の目は十分あっただけにもったいないこととなった。その接触を避ける行動にも明暗が出て、ライコネンがハミルトンをかわすのにここで成功している。

その後リカードが切れのあるドライブでボッタスをかわし、そのまま優勝。ボッタスはライコネンにも食い下がられたが、そこは抑えきった。ポディウムにはリカード、ボッタス、ライコネン。以下ハミルトン、フェルスタッペン、ヒュルケンバーグ、アロンソ、ヴェッテル、サインツ、マグヌッセンの順でポイント獲得。ウィリアムズは14,15位にストロール、シロトキンの順でフィニッシュしたが、ノーポイントが続いている。結果として、今季も最強と思われたメルセデスが、3戦で1勝もできないという事態に。まだ序盤戦とはいえ、やや気になることだろう。下位だけではなく、トップ3チームの力も接近してきていて、なかなか面白い展開になりそうだ。