F1のオーナー、リバティメディアの発表。発表されたのはいいが、まずハグリッドガールの廃止が先に発表されたので、その後はいろんな立場の人々が入り乱れてのコメント合戦が始まり、そっちのほうが面白いというわけの分からない事態に(^^ゞ。

僕としては、この決定、まずは一方的だったなと感じる。しかも公表では「現代の社会規範とは明らかに矛盾する」とまで言い切った。なんというか、「Me Too」騒ぎがこの決定を加速した感じもあるが、当のグリッドガールたちの意見は充分に集めたのだろうかという疑問は感じる。彼女たちにとっては、少なくともF1開催のサーキットは「職場」ではあるに違いないし、自分たちが「社会規範から矛盾する存在」であるとは考えてないし考えたくもないんじゃなかろうか。しかし、この公表により今年からその職場がいきなりなくなる。その意味をリバティメディアは考えて、それでもこの決定を出したのだろうか。多分そうではない。それはグリッドガールたちの反対の意見が後から出ることからも明らかだ。一方で、この仕事をするのがほぼ女性のみであった(2年前のモナコには例外的に「ボーイ」がいたけど)ことを問題視する人たちもいて、それがこの問題を複雑化する。

彼女らに代わって、今期からグリッドに登場するのは「グリッドキッズ」になるとの発表が、一週間遅れてやってくるところがまたなんとも。そういう発表は同時にやってこそ意味があり、そうしておけばここまで議論が膨れ上がってしまうことはなかったのに。

ただし、これで万事解決とはいかないだろう。なぜなら、これは「仕事」。ナイトレースになってるシンガポールとかの仕事の規制はどうなっているのだろうか。仕事じゃない、イベントだということで切り抜けられるのだろうか?それでも夜間に子どもたちがサーキットに並ばされるというのは絵的にどうだろう?それから、まさか表彰台にキッズは並ばないよね?シャンパンを浴びさせられるなんてことになったら、それは大問題だ、っていうか、そもそも論として、「酒を飲んだら自動車には乗るな」言っておいてレースでは賞品に酒が出る、この風習は「社会規範に矛盾」してないのか?

これで見えてくるのは、どう取り繕っても、今回のやりかたは「場当たり的」で、ツッコミどころ満載だってことかな。国際的な組織がこんな醜態を晒すようでは、ルールの策定とか、紛糾するのも当たり前、か。