発売は2017年3月。現行4代目のマーチはタイ(中国やインド、メキシコ生産車もあるらしい)で生産されたのが影響したのか、3代目までのマーチと比べてもなんだかパッとしない感じになってしまった。少なくとも初代(K10)、2代目(K11)は10年がモデルサイクルだったのだけど、3代目(K12)で8年、現行K13は7年ということで、モデルの寿命が短くなっている、とは言え、通常の車は4〜5年で回しているのから考えれば長寿命モデル、とは言える。

さて、今度の、たぶんK15と型式指定されるであろうマイクラ(マーチ)だけど、今回はまた生産国の変更があり、なんと今度はフランス、ルノーの工場で生産されるという。ルノー−日産アライアンスのもとで全面刷新ということになったマーチだけど、目を引くのは、ボンネット両端〜サイドにつながる強烈なキャラクターラインをプレスしたこと。見た目の引きは強いと言える。

半面、ルーフを後ろ下がりにして、サイドのウィンドウの下端は後ろに向けて緩やかに上昇、リアドアの後端に向けて跳ね上げるような形を取ったことで、リアの居住性は少なからず犠牲になっていると推測すべきで、それは2ボックスの居住性を確保してきたこれまでのマーチの論法からは決別したと考える。マーチとは、僕に言わせれば、愚直なまでに乗る人に向かい合って作られてきたものと信じていた。またそうでなければ長寿命モデルサイクルは達成できないと思う。

今回のマーチ、目指したところはアクア、若しくはフィットというBセグメントでの売れ筋だったのかもしれないが、マーチの哲学から言えば、目指すのはそこではなく、パッソであるべき。残念だけど、「マーチ」として見ようと思えば、「外れてる」のではないかと。「マーチ」ではなく「ノート」です、と言われたら、僕の見方も変わるんだけど?

ゴーンの体制になって、ブランドをないがしろにされ続けている日産。利益が上がればいいんだろう。古くはV35がスカイラインになったところからずっと感じているが、その車のブランドの根底に流れるポリシーを改変したらダメなんじゃ、ないかな。