やっと正式発表になった。公式ではビートの後継ではないとされる。まぁ、ビートはNA、対するS660はターボということだから、コンセプト的に、マニアからしても「別の車」で納得できる部分はある。一時期噂になっていた(実現しなかったけど)2代目ホンダZベースのクーペコンセプトのほうが、S660には近い。が、一般的にはそういう目で見られてしまうことは致し方ないとは思う。

去年にコペンを購入するにあたっては、それよりも前の世代のスポーツ経は当然視野に入れていた。さすがに、その世代、最後まで生産していたカプチーノでも最終型は1998年と「前世紀の車」と書くと反発も受けそうだけど(^^ゞ、生産が終了してから15年近く経っていることは事実。純粋に趣味で考えるならいいだろうけど、通勤とか完全に実用で運用で検討すると、リスクが大きいような気がした。

かと言って、発売されていない車を待つわけにも行かないし、という微妙なタイミングで再就職が決まったので、比較検討するまでもなく、先代コペンに収まるしかなかったわけだよ(他の軽ターボだってあるだろう、という突っ込みはまぁ置いといて(^^ゞ)。
とりあえず、純然たる後継ではないと言いつつもビートと比較してしまうのは致し方ない。時代の流れなので、車重が760kg(ビート)から830〜850kgと重量が増してしまっていることと、縦横のサイズが現在の軽の規格(3395、1475)になってしまっているのは致し方ない。全高が1180とビートから5mmアップにとどまるのが特筆。現行コペンよりも100mm低い。駆動方式はMRを踏襲したので、そこが一番羨ましいところかな。その分というか、前後のタイヤサイズが太さや径もぜんぜん違う。ミッドシップらしい車だと思う。

エンジン(DBA-JWS)はちょっと触れたようにターボ。出力47kwは軽の自主規制だけど、104Nmのトルクは現行コペン(92Nm)を上回る。僕の乗るL880コペン(110Nm)には負けていて、量産エンジンにおけるJB-DET最強伝説は打破されなかったものの、現行マシンでは最強となった。そうは言っても、最大トルク発生回転数が2600rpm(コペンは3200rpm)となっているので、扱いやすさではコペンよりはS660のほうがやや上かもしれない。あくまでエンジンのフレキシビリティの問題だけど、この回転数域は多用されるので、感覚としてはかなり違う可能性はある。絶対的な性能差は、この程度だとほぼないに等しい。それが「自主規制」w。

スタイリングは、今のホンダらしいと思う。タイヤが4隅に踏ん張り、上に向けて強く絞られている。その結果、今のすべてのホンダの車に言えるけど、力強さはあるけど、「キャビンが狭そうに見えるよね」ということ。MM思想(マンマキシマム、メカミニマム)は既に死語になったのかな。S660はこれでも悪くはない、というか、このタイト感がむしろいいと思う人も多いだろうし、十分狭いキャビンの先代コペン乗りがそんなこと言うなよって感じではある(^^ゞ。マッシブだけどシャープという感じはするし、悪くはない。

ロールトップについては、タルガトップに近いオープン感覚で、外した屋根がまとめられてトランクに入れられるということでタルガよりも気軽。後ろがフルに開くコペンほどではないけど、開放感は大きいはず。気になるとしたらロールトップの素材の耐候性と耐久性かな。ワンタッチオープンとはいかないけど、そんなに面倒ではない感じもする。半面屋根に剛性は皆無。剛性は全てボディに頼ることになる。それでもS2000を超える剛性というので、そこは興味ある。小さい分だけ剛性は取りやすいとも思うけどね。

結論としては、最近スポーツ系の車が少ないと、寂しい思いをしていたホンダ党にはいい車かと思う。ライトウェイトな振り回せる車って、乗っててほんと楽しい。乗ればわかる。裏を返せばミニバンばっか乗ってるとわからなくなってしまうわけなので、ショーケース的になくなっちゃいけない分野だと思うし、充実するのは歓迎だ。