7月2日発表、8月29日発売予定。

やっとと言おうか、ついにと言おうか。

EOS60Dが3年ぶりに、後継機種にバトンタッチされることになった。もちろん、60Dを使ってる自分としては寂しい部分もあるけど、実際60Dを購入したのは2年前の話だから、どちらかと言うと、よく今まで「現行機種」の座を守ってきたもんだと思う。タイミングとしては去年でもおかしくなかったはずだからさ。

センサーは、APS-Cというサイズは変わらないが、60Dの1800万画素から2020万画素にアップした。これによって、エントリー機種のKissシリーズとは差別化が図られた。Kissと一緒は嫌だなぁと思う人が多かったってことか。僕的にはそんなに気にしてなかった部分。どうせぱっと見わからないよ(^^ゞ、だし、Kissと60Dでは操作方法からして「異次元」と言えるくらい違うので、そもそも一緒に語れない。

センサーAFの方式が、Kissとは違うのも特徴。KissまでのハイブリッドAFも、EOS-Mから新導入されたAFだったと思うが、そこに更に変更を入れてきたのは正直驚き。「デュアルピクセルCMOS AF」と呼称されるそれは、1画素が2つのフォトダイオードで構成されていて、ぞれぞれの光の位相差を検出する、みたいだ。位相差を検出する部分ではハイブリッドと同様だけど、ハイブリッドではピクセルとは別に位相差検出用のセンサーが設けられていたところ、それをセル内でやってしまうというのがデュアルピクセルの思想だと解釈できる。結果誤差が少なくなるはずだし、動作も単純化されることが期待できる、と考えていいと思う。

画像処理エンジンはDiGiC5+になった。60Dは4だったわけで、1.5世代進んだ。ここだけは羨ましいかな?WiFi内蔵はトレンドだし、あれば便利だろうけど、なくてもいいや状態。重量は全く一緒。これもちょっと意外。多少軽くしてくるかなと思ったが。比べてみると外寸は超微妙に小型化(^^ゞ。

オートフォーカスは9点から19点と劇的に増えた。が、これは多ければいいってもんでもないような気もするし、どうでしょ?HDRも付いてきた。これもトレンドだし、あれば使いたいシーンも有るのでいいのでは。多重露出もできるようになった。まぁHDRの応用だし当然できるだろう。ドライブは当然のように高速化(5.3→7)。これは出来る限り、速いほうがいいので、羨ましいとまでは行かないけど、良かったね。

ここまでまとめて、第一印象としては、「正常進化」の枠に収まった感じ。要は良くも悪くも「中核」モデル。すべての機能を備えて、そつなくこなすけど、突出した特徴は、残念ながらない。それは60Dやその前からコンセプトは一緒だと思う。逆にその分、ウデの差がしっかり出るとも言える。60D所有者から見て、どうしても買い換えたいというモチベーションは沸かないかな。しかし、これからこのクラスを新規に買うのであれば、正常進化と一口に言っても、3年の時間差は埋め難い。たとえ値段差はあっても、新品で買うのならば、60Dよりは70Dを買うべきで、その方が後悔は少ないだろう。

60Dを買い換える時はステップアップさせる方向、すなわち7Dのモデルチェンジが気になる、というところ。6Dと比較で考えることになるかな。とは言え、今の僕には60Dを使い倒すことのほうが重要かもしれない。