・・・って書くのが、やっぱりわかりやすいってことか。

日清食品ホールディングスが、ストレート麺の特許でサンヨー食品を大阪地裁に提訴したというお話。

ええと、例によって、それを伝えているサイトにより表現に差があるんだけど、SankeiBizがいいか。「平成21年10月に登録した、即席麺をストレートにする方法」とあるので、特許の特定はかなり簡単にできた。

該当特許は特許4381470。サイトでは「方法」って書いてあるけど、発明の名称は「束になった即席麺用生麺」と「モノ」の特許になっている。特許的に言うと、この違いは大きく、「方法」だと、モノの形が一緒でも、「そんな方法はとっていません」と言われると、その方法をとっていることを証明するのは至難の業。一方「モノ」であれば、方法如何にかかわらず、そういう「モノ」になっていれば抵触を問える。特許権行使には大きく影響するので、大事。方法特許を取る場合は「方法及び製品」で取ることが多くなるのはこのためだ。

この特許は平成21年2月に出願されている。通常の特許は、出願後、1年半で「公開」になるのだが、この件は公開になることなく、早期審査により、わずか8ヶ月足らずで権利化されている。これは結構異例。特許の「独占権」は「公開すること」の引き換えで付与される。登録時にはもちろん「公開」になるのだからこの原則に違いはないのだが、日清食品側としては、この特許を大変重要視していることがこの経緯から伺われる。

審査中に公開を経ていないので、出願時の請求項がどうだったかをうかがい知ることは、審査経緯を見ればできるのか。当事者じゃないので、そのあたりは割愛。

最終的な請求項は「複数の麺線が重なり合って略扁平な束になった即席麺用生麺であって、前記生麺は、麺生地から切り出され、コンベア上で、当該コンベアの搬送方向に向けて配列されて製造されるものであり、前記生麺を構成する各麺線は、前記コンベア上で屈曲しつつ繰り返し輪を描き、前記輪は、前記コンベアの搬送方向と逆方向に順次ずれながら配置され、前記各麺線の描く軌道は、隣り合う麺線の描く軌道と同調せず、前記各麺線は、前記各麺線中の輪の位置が隣り合う麺線の輪の位置とずれた状態で、相互に交差して重なり合っており、その重なり合った状態のまま蒸煮され、延伸され、切断され、乾燥されると、湯戻し時に麺線が略直線状となることを特徴とする、前記束になった即席麺用生麺。」

わかんないよね、これじゃ(^^ゞ。噛み砕くと、麺を作るときに、麺の生地から、麺は切り出されてコンベア上に並べられていくものなんだそうで、そのときに、麺を並べるためのガイドがコンベア上でループを描くように動くらしい。さらに、それぞれのガイドは隣と「同調しない」と書いてあるので、ある程度ゆらぎを持つようにバラバラに動き、多少隣の麺とずれたように並べられる、と。それでそのまま乾麺にされる工程を踏むと、麺がストレートになるよ、とこういうことらしい。

つまり、出来上がった麺を見ると、それぞれの麺が少しゆらぎを持つループ状に製麺され、それぞれにずれて重なった感じに見えれば、当たりくさい。

で、これを、サンヨー側の「サッポロ一番オタフクお好みソース味焼そば」や「サッポロ一番ちゃんぽん」など11商品でやってるでしょ、ってことのようだ。消費者はそこまで見てない(^^ゞ。僕もそんなふうになってるかどうかなんて知らないので、ここまで読んで、ほんとに抵触してるのかどうかなんて、今判断できない。

そのあたりの商品を買ってきて、食べることがあったら、注目してみてくださいな、ということでまとめるしか。覚えてたら、そしてその商品が安売りしてたら、検証してみようかな、程度でひとつ。