深夜に行列が出来たとか出来なかったとか。
僕自身は、別段ビートルズのファン、と言うわけではない。アラン・パーソンズのファンではあるから、全く関係ない、というわけでもない。まぁ微妙な立場だね(^^ゞ。
リマスターされた、と聞くと、最近のAPPのアルバムが全部リマスターされて、ボーナストラックも投入された25周年記念CDを順次購入したところなので、音が違うだろうということはわかる。
ビートルズは特別だ、と言う人は多い。が、僕はビートルズから洋楽に入門したわけではないので、(時代も微妙に下だ)その世代ずっぽりと言う人たちよりは冷静に眺めることが出来る、と思っているし、さらに下の世代(「ビートルズなんか新しくない」という世代)とも違う。大体において、新しい世代の音楽で育った人たちが、古いものを古いというのは世の常で、そしてその当時の背景にはあまり注意を払わないのも一緒だ。
ビートルズの音楽は、それまでにあった音楽をぱくったもの、と言う説がある。だけど、そんなことは彼らを語るのには、本質じゃない。それまでに、そう言う音楽を始めたのが例え彼らじゃなかったとしても、それをメディアに載せて、一気に広めたのは彼らだ。そこに彼らの価値があるのだ。
マイケル・ジャクソンのダンスなんかもそうだ。今見れば今のダンスの動きのトレンドじゃない。だけど、それが今まで「見なかった」もの、だからそこに当時の価値があるのだ。それが本当は彼が始めたかどうかの論議も実は関係ない。それを「広めた」ことに意義があるのだ。そう言う意味で、ビートルズもしかり。つまり、それを商業ベースでいの一番に成功させたこと、そこだ。そう言う意味で、彼らは所詮「アイドルグループ」だったんだ、ということにしている。
実際、彼らのアルバムを順次聴いていくとする。テクニックはどんどん進化する。でも、アルバムコンセプトが一貫してなかったりする。その時々で「こんなものをやってみよう」で突っ走る。勢いと言えば聞こえはいいが、さて、冷静に、じゃあ彼らはどんな音楽を「自分たちの音」として表現したかったのだろう。そう言う意味では、解散した後の、それぞれのソロの方が、ずっと一貫性が取れている。僕はそう思う。もちろん、ソロになった後、誰もビートルズを上回れなかったわけだが、そこはともかく、自分のやりたかった音楽を表現できているかという意味では、ソロになった後の方がずっとちゃんと出来ているのだから、いいのではないか、と。
ひょっとして、ジョン・レノンがあんな死に方をしなかったら、80年代後半くらいに再結成って可能性はあったかも知れない。そうしたら、もっと「整合性の取れたビートルズ」を僕らは見られたかも知れない。事実はそうならなかったわけなので、これを言っても仕方ないが。
今、ビートルズを始めようと言う人には、僕は全部聴けとは言わない。まずはベストでも聴いておけば充分、かな。大方の他のグループと、扱いは同じかも。でも、それでいいんじゃないか?ファンになったら、全部集めればいい。そして、分析したいのなら、分析すればいい。でも、言っておくけど、ビートルズはロック黎明期の代表で、始まりかも知れないけど、決して「すべて」ではない。影響も大きかったけど、それで「終わり」でもない。いいところはちゃんと「いい」、悪いところは「悪い」と言えないと、分析できたことにはならないよ。
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