レースの内容や結果云々よりも、ちょっと言いたいことがある。
今、このサーキットに「スポーツとしてのF1」はあるのか、と。一昨年から今年にかけて、レースの開催数が爆発的に増え、その上にスプリントレースなど、とにかくレースの数を増やし続けてきたF1だが、今年に入って、その無理の揺り戻しが今年来ていると感じる。
例えば大雨の影響で中止となり、延期レースも、代替レースさえも行われることはなかったエミリア・ロマーニャGP。2000年代までは、基本一ヶ国1回開催とされていた開催回数が、今年からはあろうことかアメリカだけ3回も開催となっていること。そしてセッティング的に無理のあるスプリント日程。
今回のカタールでは、その過密日程の悪いところばかりが出ているような気がしてならなかった。カタールのルサイルサーキットは、2021年に開催されたとはいえ、あの時は冬も近い11月21日。去年、2022年は、サッカーワールドカップのために開催されなかったが、そのW杯も11月後半から始まっている。つまり、そのくらいの時期じゃないと暑くてやってられないということだ。
しかも、このサーキット、今年の八月に全面舗装をやり直していて、さらにはエイペックスの構造も変わってしまっており、コースレイアウト以外はほぼほぼ新規も同様。そんな中でスプリントも行われる。もう事前から準備がまるで足りないことは指摘されていたはず。しかし、彼らはその日程で強行した。
異常さはFP1から明らかだった。新規の舗装の上に風により砂が全面に浮いており、路面の反射の具合から見てもグリップ不足は見て取れた。そんな中でFP1だけで必要なデータなど取れるはずもない。案の定、そのあとすぐに行われた予選は、頻発するコースからの4輪脱輪によるタイム抹消のおかげで、もう順位がめちゃくちゃ、3位だったピアストリのインタビュー中にタイム抹消で順位が落ちる連絡が入って、気まずいことこの上なし。
その後、ターン12、13のエイペックスの構造がタイヤに攻撃的で、タイヤ面の剥離が起きる可能性があるってことで、コースサイドのリミットが変更になり、スプリントシュートアウトの前に急遽10分間のスペシャルFPが設けられたが、そんなの焼け石に水って奴だろう。直後に行われたスプリントシュートアウトは前日の予選とはまるで違う順位となる。脱輪タイム抹消は相変わらずあったし。スプリントレースではクラッシュ、スピンアウト連発と、もうレースがどうなるかの予想どころじゃなかった。
レースはレースで、同じタイヤで合計18周以上走っちゃだめよ指令が出て、2005年アメリカGPを思い起こさせるような状況に。まぁピレリワンメイクだから出走ボイコットとかには発展しなかったが、57周のレースで18周の走行リミテーション。18×3では54周にしかならないので、つまりは3回ストップ必須のレギュレーションってわけだ。で、まぁそれには「ドライバーの安全のため」とかいう「大義名分」がついたわけだが、その裏にはレース展開をタイヤ交換の作戦でコントロールして、結果が見えにくいようにしようというキレイとは言えない意図がスケスケだった。
そして、何よりも「ドライバーの安全」を謳うには気温と湿度が高すぎた。レース中も「暑さ」に対するドライバーのコメントや、レース中にバイザーを浮かせるシーンが続発し、サージェントはリタイヤ、アルボンもレース後搬送、オコンは途中で嘔吐、その他脱水症状が連発で、表彰台に上るドライバーも休憩室でピアストリ大の字、フェルスタッペンもへたり込み、「ドライバーの健康」はどうでもいいのか、って感じだった。
このレースからF1を見始めた人がいたとして、これで「すげぇ」という声が出たのであれば、それは絶対「賞賛」の意味ではないと確信できる、そんなレースだった。FIAは対処を約束したというが、この事象に対するものだけではない抜本的な対策を望む。
なにしろ、去年からレギュレーションとなったグラウンドエフェクトカー構想はマシンのポーパシングを誘発して背中や腰を傷めるドライバーが続出、今年はそれも問題視されていないがやはり健康被害は出ている模様だし、この度の新チーム追加のごたごたを見ても、FIAやFOMは金儲けのことしか考えていないという批判は出て当然だ。おおごとになってからでは遅い。F1は、まずこのおかしいスケジュール全体を絶対に見直すべきだ。結果よりも何よりも大事なことだと思うので、こういうスケジュールの立て方は絶対だめだと明記しておく。
ほとんど抗議なので、今回は結果についての評論は敢えて「なし」とさせてもらった。悪しからず。
今、このサーキットに「スポーツとしてのF1」はあるのか、と。一昨年から今年にかけて、レースの開催数が爆発的に増え、その上にスプリントレースなど、とにかくレースの数を増やし続けてきたF1だが、今年に入って、その無理の揺り戻しが今年来ていると感じる。
例えば大雨の影響で中止となり、延期レースも、代替レースさえも行われることはなかったエミリア・ロマーニャGP。2000年代までは、基本一ヶ国1回開催とされていた開催回数が、今年からはあろうことかアメリカだけ3回も開催となっていること。そしてセッティング的に無理のあるスプリント日程。
今回のカタールでは、その過密日程の悪いところばかりが出ているような気がしてならなかった。カタールのルサイルサーキットは、2021年に開催されたとはいえ、あの時は冬も近い11月21日。去年、2022年は、サッカーワールドカップのために開催されなかったが、そのW杯も11月後半から始まっている。つまり、そのくらいの時期じゃないと暑くてやってられないということだ。
しかも、このサーキット、今年の八月に全面舗装をやり直していて、さらにはエイペックスの構造も変わってしまっており、コースレイアウト以外はほぼほぼ新規も同様。そんな中でスプリントも行われる。もう事前から準備がまるで足りないことは指摘されていたはず。しかし、彼らはその日程で強行した。
異常さはFP1から明らかだった。新規の舗装の上に風により砂が全面に浮いており、路面の反射の具合から見てもグリップ不足は見て取れた。そんな中でFP1だけで必要なデータなど取れるはずもない。案の定、そのあとすぐに行われた予選は、頻発するコースからの4輪脱輪によるタイム抹消のおかげで、もう順位がめちゃくちゃ、3位だったピアストリのインタビュー中にタイム抹消で順位が落ちる連絡が入って、気まずいことこの上なし。
その後、ターン12、13のエイペックスの構造がタイヤに攻撃的で、タイヤ面の剥離が起きる可能性があるってことで、コースサイドのリミットが変更になり、スプリントシュートアウトの前に急遽10分間のスペシャルFPが設けられたが、そんなの焼け石に水って奴だろう。直後に行われたスプリントシュートアウトは前日の予選とはまるで違う順位となる。脱輪タイム抹消は相変わらずあったし。スプリントレースではクラッシュ、スピンアウト連発と、もうレースがどうなるかの予想どころじゃなかった。
レースはレースで、同じタイヤで合計18周以上走っちゃだめよ指令が出て、2005年アメリカGPを思い起こさせるような状況に。まぁピレリワンメイクだから出走ボイコットとかには発展しなかったが、57周のレースで18周の走行リミテーション。18×3では54周にしかならないので、つまりは3回ストップ必須のレギュレーションってわけだ。で、まぁそれには「ドライバーの安全のため」とかいう「大義名分」がついたわけだが、その裏にはレース展開をタイヤ交換の作戦でコントロールして、結果が見えにくいようにしようというキレイとは言えない意図がスケスケだった。
そして、何よりも「ドライバーの安全」を謳うには気温と湿度が高すぎた。レース中も「暑さ」に対するドライバーのコメントや、レース中にバイザーを浮かせるシーンが続発し、サージェントはリタイヤ、アルボンもレース後搬送、オコンは途中で嘔吐、その他脱水症状が連発で、表彰台に上るドライバーも休憩室でピアストリ大の字、フェルスタッペンもへたり込み、「ドライバーの健康」はどうでもいいのか、って感じだった。
このレースからF1を見始めた人がいたとして、これで「すげぇ」という声が出たのであれば、それは絶対「賞賛」の意味ではないと確信できる、そんなレースだった。FIAは対処を約束したというが、この事象に対するものだけではない抜本的な対策を望む。
なにしろ、去年からレギュレーションとなったグラウンドエフェクトカー構想はマシンのポーパシングを誘発して背中や腰を傷めるドライバーが続出、今年はそれも問題視されていないがやはり健康被害は出ている模様だし、この度の新チーム追加のごたごたを見ても、FIAやFOMは金儲けのことしか考えていないという批判は出て当然だ。おおごとになってからでは遅い。F1は、まずこのおかしいスケジュール全体を絶対に見直すべきだ。結果よりも何よりも大事なことだと思うので、こういうスケジュールの立て方は絶対だめだと明記しておく。
ほとんど抗議なので、今回は結果についての評論は敢えて「なし」とさせてもらった。悪しからず。